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INFORMATION事務局からのお知らせです
【不開催となりました】子どもの精神分析的心理療法連続セミナー 2024
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子どもの精神分析的心理療法連続セミナー 2024
『精神分析的臨床家としてサバイブする』
*本セミナーは当初予定していた参加者数を大幅に下回ることとなり、不開催を決定するに至りました。
例年は100名超の参加者があったものの、情勢の変化によるものとしてやむを得ず今回の決断に至りました。
今回のセミナーを楽しみにしていただいていた皆様に、心よりお詫び申し上げます。
現代社会における要請を受けて精神分析的実践は結果的に広がりを見せています。私たちの実践が、そして私たち臨床家が生き残っていくためには、その専門性をコミュニティ内外に向けて、明確化することが求められています。本セミナーでは、精神分析的実践が何を提供できるものなのかを振り返るとともに、その実践の魅力を多くの人に知ってもらえるよう、学びの場を提供したいと思います。
連続セミナー2024①「子どもと家族の心理臨床において精神分析的実践は何を目指すのか?」
2024年5月12日(日)13:00~18:00
講師:平井 正三先生(御池心理療法センター/認定NPO法人子どもの心理療法支援会)
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現代社会において子育てに困難を持つ家族は多く、子育て支援は心理臨床において重要な課題となっています。しかし、家族の形態は多様化し、機能不全家族や家族の破綻も珍しくなくなる中で、従来の親子並行面接モデルでは対応が難しいケースも増加しています。
本講義では、こうした状況で、子どもと家族の心理臨床において精神分析実践は何ができるのか、そしてそうした実践を通じて何が目指されるのかについて受講者の皆さんと考える機会を提供したいと思います。
参考文献
ジョン・ツィアンティス 他著『子どもと青年の心理療法における親とのワーク―親子の成長・発達のための取り組み』(金剛出版)
平井・吉岡共編『子どもと家族の心理相談―――精神分析的アプローチによるアセスメントとコンサルテーション』(誠信書房:刊行予定)
臨床心理士子育て支援合同委員会編『臨床心理士の心のケアと子育て支援』(福村書店:刊行予定)
②「臨床現場を生き残ること」
2024年6月30日(日)13:00~17:00
「被災地・重大事件の現場で生き残る」
講師:岩倉 拓氏(あざみ野心理オフィス)
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災害や事件への臨床は今後も心理臨床においてその機会は増えていくだろう。私は、被災地や事件の現場に赴いての実地の臨床経験の中で、精神分析的な理論・認識とその活用について試行錯誤してきた。精神分析は事後性の営みであるが、現場では事件や出来事が今まさに生じていて、その予防やケアも求められる。またその介入によっては外傷のフラッシュバックなども生じ、通常の分析的な技法がリスクになることもある。また、個人精神療法のみではなく、集団や集団状況への関わりが求められる。そんな中で、現場で生き残るために必要な精神分析的な視点や認識について提示し、議論したい。
参考文献
日常臨床に活かす精神分析2:現場で起こるさまざまな連携(誠信書房2022)第14章 精神分析の観点から見た被災地での連携
「臨床現場を生き抜くための訓練としてのワークディスカッショングループ」
講師:橋本 貴裕氏(帝京大学心理臨床センター)
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心理臨床の訓練としては、個人スーパービジョンやグループスーパービジョンあるいは事例検討会が、その両輪と言われる。これらの意義は言うに及ばずだろうが、果たして、現場で生き抜くための“心を使う”訓練となりえているだろうか。指導者からのコメントが正しいものと感じて自分の心を脇に置いたり、権威ある対象を前にした緊張や不安から心の自由を失っていないだろうか。
ワークディスカッショングループ(WDG)は、タビストッククリニックで発祥した訓練として、ヨーロッパの大学院でも取り入れられている。徐々に普及している理由の一つが、WDGが“心を使う”訓練として認められているからと考えられる。この特徴や有効性について紹介し、討議したい。
参考文献
「ワーク・ディスカッション―心理療法の届かぬ過酷な現場で生き残る方法とその実践」
③「子どもの生きた心の発達を支えるものとしての精神分析的心理療法」
2024年8月4日(日) 13:00~18:00
講師:小笠原 貴史氏(小笠原こどもとかぞくのカウンセリングルーム)
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精神分析とは、その人が自らをユニークな存在として主体的に生き生きと生きられるための方法である。そして、この方法を用いるためにはセラピスト自身も主体的な生きた心を持った存在でいることが必要なのである。
子どもの精神分析的心理療法では、セラピストが目の前にいる子どもに眼差しを向け、子どもの心の世界を遊びや語りや関係性を通して、セラピスト自身の心を使って感じたことや考えたことを子どもと話し合うことで、子どもと一緒に考えながら、その子どもの心に触れ、主体性やユニークさを見つけ、育てていくことになる。
主にAlvarezの臨床感覚を参照しながら、私自身の臨床実践の経験をお伝えしたい。
参考文献
アルヴァレズ『子どものこころの生きた理解に向けて』(金剛出版)
④「訓練を経て私たちは何を学ぶのか?」
2023年9月8日(日) 13:00~17:00
「訓練のスタートと目標」
講師:若佐 美奈子氏(神戸女学院大学)
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誰しも、臨床を積み重ねていくうち、自分の限界にぶつかることがあると思います。私の場合、若いうちにそれが身体的な症状として現れました。精神分析心理療法という方法を信じることができるか、自分を実験台にすることを通して、私の訓練は始まりました。その後、分析と並行して結婚・妊娠・出産を経験し、複数の先生にスーパーヴィジョンを受け、今の私がいます。
無意識は自分の意思とは関係なく動くので計画をたてることはできませんが、訓練に取り組み続けると、患者さんの人生だけでなく自分の人生も活性化されていく実感をもてるでしょう。あるケースを通してその様子をお伝えし、訓練の目標についても提示できればと思います。
「精神分析的臨床家として本当に役に立った訓練経験とは」
講師:竹山 陽子氏(大阪心理臨床研究所/御池心理療法センター)
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精神分析的臨床家になるための訓練は、個人セラピー、スーパービジョン、理論学習が必須のものとしてあげられています。訓練は途方もなく終わりがありませんが、一人ひとりの人生には、子育てや病気などのイベントがあり、時間的経済的にも制限があります。精神分析的心理療法の実践家としてサバイブするために、どのような訓練や経験が本当に役に立ち臨床活動を支える内的外的資源になるのか、自分自身の二十数年の臨床経験を振り返りお話したいと思います。
さらに最終目標である精神分析的心理療法家として自立する過程には、様々な内的困難を乗り越える作業が伴います。治療者として一人の人間として、創造的思考や関係性を生み出し、排他的にならずに自立した心を持ち、サバイブしていく道を探索してみたいと思います。
開催形態 :ウェブ会議アプリzoomを利用したオンライン開催(会場開催は行いません)
参加対象者 :臨床心理士、公認心理師、医師、心理療法に携わっている大学院生・研修生
定員 :100名 *先着順
申込期日 :4月末日(振込期日:5月2日)
参加費 :一般枠・1回あたり8,000円/全回参加28,000円
大学院生・1回当たり6,000円/全回参加20,000円
申込方法:下記から申込フォームにて必要事項と誓約書にご回答ください。
お問い合わせ:【kodomo.seminar@sacp.jp】までご連絡ください。
*本セミナーは、日本臨床心理士資格認定協会から「短期型ワークショップ(2点)」として承認を受けています(オンラインのみ)。なお、第2回または第3回のみの参加では時間数が5時間に満たないため、ポイントの対象となりません。ご留意ください。