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(3/10更新)子どもの精神分析的心理療法・臨床セミナー In 関東2024 二次募集のお知らせ
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2024年度サポチル関東臨床セミナーのご案内【二次募集】最終版(ドラッグされました)2024年度サポチル関東臨床セミナーのご案内【二次募集】最終版(ドラッグされました) 2
(3/10更新)申込期限を延長し、二次募集を開始しました。どうぞ奮ってご参加ください!
9年目となるサポチル関東の臨床セミナーは、「事例から学ぶ親子・家族面接の様々なアプローチ」が年間テーマです。子どもを支援するあらゆる現場において不可欠の、親や家族との心理臨床的関わりの意義や課題について掘り下げます。
2023年度に引き続き、ブレイクアウトルームを活用した少人数グループによる事例検討と、発表者や講師も交えた自由なディスカッションを中心としたセミナーとなります(第3回のみ、シンポジウムと討論による構成となります)。講義は検討事例やセミナーテーマ、そして当日のディスカッションを踏まえたものですので、講師が事例を通して臨床知を発見していくプロセスや、事例と向き合う姿勢からも学ぶことができる、大変貴重な機会となることでしょう。一方的な知識の伝達ではなく、 初学者からベテランまで誰もが自由に考えを述べ合い、そして学び合うことのできるセミナーです。
Zoomを用いたオンラインセミナーですので、全国どちらからでもご参加できます。 ぜひ奮ってご参加ください!皆さまと共に学ぶことを楽しみにしております。
定員:60名
対象者:臨床心理士、公認心理師、医師、それに準ずる専門家、大学院生・研修生
受講料:40,000円
申込締切:2024年3月31日
お問い合わせは、kanto-rinsemi@sacp.jpまで。
※実際の臨床事例を扱うセミナーのため、受講者の皆さまにはお顔を画面に表示した状態にてのご受講をお願いします。何卒ご了承ください。
※本セミナーは日本臨床心理士資格認定協会の「定例型研修会(4ポイント)」として承認されていますので、7割以上出席の方に「研修証明書」を発行します。
【各回講師・シンポジストより】
2024年5月19日 13:00~1700 「アセスメントにおける親子合同面接」
脇谷順子先生(杏林大学保健学部/こども・思春期メンタルクリニック)
これまで、子どもに関する「心配や困りごと」を理由に相談申し込みがなされた場合、1回のインテーク面接の後、親子並行面接、あるいは、子どものプレイセラピーが始まるという方法が「スタンダード」とされてきたように思われます。家族や親子の関係性が多様化し、コミュニケーションの取り方も変化している今、そうした方法を見直す時期に来ていると言えるのではないでしょうか。親子や家族と会い、親子や家族の関係性やコミュニケーションの取り方を知っていくことがより助けになるような支援につながったり、親子や家族と対話をすること自体が心理的な支援となり得ることを検討してみたいと思います。
2024年6月23日 13:00~17:00 「同一治療者による親子への関わり」
小笠原貴史先生(小笠原こどもとかぞくのカウンセリングルーム)
昨今、子どもの心が親や家族との相互主体的な交流によって育まれていくということは精神分析の世界のみならず、多くの発達研究においても実証され、乳幼児(-親)精神保健の世界でも広く認知されている。今や、子どもの支援に関わる場合、子どもの支援者が親や家族と会って話をするということは避けて通れない。しかし、臨床の場においては、子どもの心を育む親自身もまた心理的課題や困難を抱えている場合も少なくない。そうした場合、子どもの心を抱え育んでいくために、親もまた自身の心あるいは家族という単位で生じている心的物語に向き合うことが迫られる。つまり、子どもの個人心理療法というよりも、子どもと家族の心理療法としての実践を考えていく必要がある。子どもと家族の心理療法のひとつのかたちとして、同一治療者が子どもにも親にも会うという設定の臨床的意義、またその限界や困難さについて考えたい。
2024年8月4日 13:00~17:30 「シンポジウム:昨今の親子支援における難しさと工夫」
Dalrymple規子先生(桜花学園大学保育学部国際教養こども学科)
乳幼児の心の健康を守る学問と実践である乳幼児精神保健。一番基本にある考えは、乳幼児と養育者の関係性に焦点を当て、そこで何が起こっているのかを考えるということです。つまり、彼らの間でのやりとりの響き合いを見ていきます。乳幼児親子と直接かかわる様々な職種の人たちがその考え方を用いていくことで、どのように乳幼児親子を支えていっているのでしょうか。具体例を示しながら一緒に考えていければと思います。
(参考文献:「乳幼児精神保健ケースブック」ジョアン・J・シリラ、デボラ・J・ウェザーストン編、金剛出版)
中村知佳先生(聖マリアンナ医科大学病院精神療法・ストレスケアセンター)
私は小児科担当の心理士として医療機関に勤務しています。小児科では、心身症や不登校はもちろん、身体疾患をもつ子どもまで幅広く心理士が関わります。今回は小児科病棟と小児集中治療室で出会う親子との関わりを通して、日ごろ感じ考えていることについて発表したいと思います。重度の障がいを持って生まれてきた子どもとその親、救命が困難となり意思疎通がとれなくなった子どもとその家族にとって、親子の時間はどのようなものなのでしょうか。親子の対話(心的交流)を育むために心理士はどのような支援ができるのか考えたいと思います。
大垣怜子先生(公立学校スクールカウンセラー)
スクールカウンセラー(以下SC)は、週1のセラピーや母子並行面接のように構造化した面接をすることが難しく、学校の要望で面接の構造を維持できない状況もよくあります。SCの取らされている役割や親子面接の構造自体が、その親子の関係性や問題を表しているのではないかと感じることがあります。SCが学校や保護者から様々な情緒を投げ込まれ、明らかになっていった親子の問題にどのようにアプローチしていったかについて報告します。また、SCにも外部資源ともつながれない親子を最終的に抱えるのは学校だと感じています。そのような親子を抱えるために、教員とワークディスカッションをしながら奮闘していった様子についても報告します。
若左美奈子先生(神戸女学院大学心理学部/西天満心理療法オフィス)
スマホやiPad、ゲーム機などのデジタル機器及びメディア、コンテンツの普及により、子どもたちの体験世界は大きく変わった。親も、デジタル機器の恩恵を受けている世代であることが多い。ワンクリックや接触によって購買、契約、取り消しができる、個人の好みに合わせて「おすすめ」が提供されるオンライン生活は、葛藤を抱える時間と場を減弱させる危険もある。またそうした心性が親子コミュニケーションに及ぼす影響もあるように思われる。デジタルと共存しつつ、しなやかなこころを保つコミュニケーションのあり方について、皆さんと考えてみたい。
2024年10月27日 13:00~1700 「親子並行面接のプロセス」
竹山陽子先生(大阪心理臨床研究所/御池心理療法センター)
親面接は、子どもの心理療法を支えるという重要な役割を持ちますが、親が親として人として育っていく過程でもあります。親子並行面接は、子どもの心を理解することや子育てに関する助言など親機能への援助が中心になりますが、家族の関係性や親の個人的葛藤なども含めた家族の全体状況への理解が必要で、技法的にも難しい面があります。事例に沿って親子並行面接の役割を整理し、子どもと家族の援助の可能性について考えてみたいと思います。
2024年12月22日 13:00~1700 「子どもが来談しない時の親面接」
吉沢伸一先生(ファミリーメンタルクリニックまつたに)
子どもが来談しないときの親面接には、親を介して子どもにアプローチするやり方から、子どもの関り方にも影響を与えている親自身の諸問題にアプローチするやり方、あるいはそれら二つの側面を微妙なバランスで取り上げていくアプローチまで、その親子のあり方や見立て、現実状況に応じて柔軟に対応していく必要がある。セラピストは、支持的な側面と内省促進的な側面の両方の視点を持ちつつ、転移的な状況の理解を踏まえて、それをどの程度取り上げるのか取り上げないのか、ガイダンスはどの程度行うのかなど、問題の性質の推移を見極め絶えず関与の方略を微妙に調整しつつ対応していく必要がある。当日はその試みの工夫をディスカッションしていきたい。
2025年2月23日 13:00~1700 「振り返り面接・合同面接・臨時面接の意義」
平井正三先生(御池心理療法センター/サポチル)
この回は、振り返り面接・合同面接・臨時面接の意義について考えていきます。子どもと家族の心理臨床は、それぞれの子どもと家族の特徴とニーズに応じて面接形態を選択していく必要があります。その際に、適宜、それまでの経過を振り返り話し合う機会を設けることが重要です。また、親子別々に会うよりも同席で面接をする方が適切に思われる場合もあります。講義では、事例を踏まえてそうした子どもと家族の心理相談の現実に合わせたアプローチについて話していきたいと思います。
(参考文献:平井正三「子どもと家族の心理相談―――精神分析的アプローチによるアセスメントとコンサルテーション」、『臨床心理士の心のケアと子育て支援』(福村出版)所収[刊行予定])
※各回の講師・シンポジストの略歴はこちらからご覧になれます。