心理療法とコンサル
COUNSELING part2サービスをご紹介します。
「発達相談サービス」や「児童福祉アセスメントサービス」を受けていただいた後、さらに継続的なサポートが必要であると判断された場合、支援契約している心理療法機関において、以下のようなサービスを提供しています。サポチルは、これらについても、継続的に資金面での支援をしています。
心理療法・コンサルテーションのご案内
心理療法(サイコセラピー)
心理療法(サイコセラピー)とは、主に対話や遊び(子どもの場合)を通して、心理的な問題や不適応の問題など、種々の困難を抱えている人の情緒、認知、行動などに働きかけ、変容をもたらすことで、心理的な問題や不適応などの問題の解決に寄与し、人々の精神的健康の回復、保持、増進を図ろうとするものです。
幼い子どもたちは、言語での表現が大人のようにはできないため、人形遊びや描画などの遊びを通じて、心を表現することがあります。そうした遊びを主なコミュニケーションの手段として用いる心理療法をプレイセラピー(遊戯療法)と呼ぶこともあります。
コンサルテーション
いろいろな形のコンサルテーションがありますが、主に、問題を抱える人と関係の深い人たちに、専門家(臨床心理士や医師)の立場から、提案や助言を行うことです。
例えば、児童養護施設や学校、幼稚園などにおいて、問題とされる児童の担当職員や教師などが関係の深い人となります。
直接の援助ではありませんが、間接的に問題を抱える人を援助し、関係の深い人たちが持つ力をうまく発揮できるように、サポートしていくものです。
サポチルでは、児童養護施設や幼稚園、保育園など、虐待を受けた子どもたちや発達障害を抱える子どもたちなど、心理的問題を抱えていると考えられる子どもたちについて、どのようにサポートしていけばよいか、専門的な立場からコンサルテーションを行う必要がある場合、専門家をコンサルタントとして派遣しています。コンサルテーション面接も支援しています。
保護者や養育に関わる大人とのコンサルテーション面接
子どもの心理療法を行う場合は、保護者や養育にかかわる大人がとても重要な役割を担っています。子どもの日常生活を支えているのは保護者や養育にかかわる大人です。そして、サイコセラピー(心理療法)の場を訪れるのも、そうした保護者や養育にかかわる大人が連れてこなければ実現しません。そのため、子どもの心理療法を行う時には、心理療法を行う専門家と、子どもの保護者や養育にかかわる大人たちが、互いに目的を共有し、車の両輪のようにうまく協働していくことが、とても重要なことになります。
そのため、心理療法を受ける子どもの保護者や養育にかかわる大人と専門家で、定期的なコンサルテーション面接を実施し、子どもの心理療法を外側からもサポートしていきます。
サポチルでは、こうした保護者や養育にかかわる大人とのコンサルテーション面接も支援しています。
支援契約している心理療法機関
サービスを提供する専門家のご紹介
- 専門家について
-
福祉や教育の分野において、子どもたちへの支援は裾野を広げていますし、様々な機関において専門家が子どもたちの心のケアに取り組んでいます。しかし、中でも子どもの心理療法に特化したトレーニングを積み、子どもの心理療法を専門に行う専門家は多くいません。
サポチルは、より質の高い子どもの心理療法の専門家育成のために、英国の「Child & Adolescent Psychotherapist(児童・思春期 心理療法士)」資格や、ヨーロッパの「the European Federation for Psychoanalytic Psychotherapy(精神分析的心理療法のためのヨーロッバ連盟)」の統一基準を参考にして、体系化された独自の研修システムを日本で初めて作りました。この独自の研修システムにおいて、高度な研修やトレーニングを積んだことが認められた専門家に、「子どもの精神分析的心理療法士」資格が授与されています。
子どもの精神分析的心理療法士は、子どものありのままの心が十分に立ち現れてくるための自由な表現を促していきます。そして、その子どもが今何を感じ、どのような物の捉え方をし、どういう関係を他者と築こうとしているのかといったことについて一つ一つ丁寧に観察し分析していきます。この分析に基づいた心の交流を通して、心の発達や問題の解決へとともに向かっていきます。
心に問題を抱えた子どもは、特に重篤であるほど他者と関係を持つこと自体が難しく、援助し問題解決に向かうことにも困難がともなうことがしばしばです。しかし、このような子どもたちこそが、誰かに自分を理解してもらい、受け入れてもらうということを強く望んでいます。子どもの精神分析的心理療法士は、心の問題を抱えた子どもたちや、子どもの周囲の方々への確かな援助を提供することができます。
- 一般的に言われる遊戯療法との違いについて
-
子どもの精神分析的心理療法では、大型遊具などによる遊びでストレスを発散する、あるいは積極的に遊びに誘うといった関わりはせず、一定の道具(描画、人形など)を用いて、より深い子どもの心の世界が表現されることを促していくという特徴があります。漫然と一緒に遊ぶ関わりではなく、精神分析的な理解に基づいた心の交流を目指す関わりが、子どもの心の成長に役立つものであると考えています。
- 子どもの精神分析的心理療法士が受けている具体的な訓練について
-
英国の子どもの心理療法に歴史を持つ公的機関タビストッククリニックで行われている子どもの精神分析的心理療法士育成のための訓練を基に、訓練プログラムが作られています。具体的には、乳児観察訓練、実際の事例における一定のスーパーヴィジョン経験、文献学習や、学会発表や論文執筆といったものがあります。その中で、一定の子どもを観察する力、理解する力、また実際の心理療法における技法などを身につけています。
- 子どもの精神分析的心理療法の対象になる子どもについて
-
心理的な要因によると考えられる様々な症状や不適応、発達の滞り等が生じている子どもが対象となります。被虐待経験などの心に傷を抱えている子どもたちには、そうした傷つきを乗り越えていくための援助として有効です。発達障害を抱えている子どもたちは、特に周囲に理解されることに困難が生じやすく、学習支援などのサポートは受けられても、心のケアまで受けることが難しい現状があります。精神分析的心理療法では、発達障害だけでない心の部分に働きかけていくことにより、より周囲とのコミュニケーションが円滑になることや二次的な心理的問題の解決などを目指します。
これらのサービスは、委託先の心理療法機関にて、サポチル認定の子どもの精神分析的心理療法士もしくは、スーパーヴァイザー指導のもと、資格取得予定の訓練コース生である専門家が実施しています。
サポチル認定の子どもの精神分析的心理療法士や認定スーパーヴァイザーについては、こちらに紹介しています。
ご関心のある方はお読みください。