サポチル NPO法人 子どもの心理療法支援会

コラム

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セラピーレポート②*Aくんのセラピー支援~継続的なセラピー開始までの道のり*

 みなさまからのご寄付によりセラピーを提供させていただきましたケースの概要をご紹介いたします。なお、個人情報保護のため、ケースは本質を損なわない範囲で内容を編集しております。たくさんのご寄付ありがとうございました。

Aくんは保育園から心理面、就学後の難しさを心配され、相談にいくことを勧められたことがきっかけでお母様が相談申し込みをされました。お母様は相談内容として“保育園での友達関係がうまくいかない、暴言・暴力がある”などを挙げていました。お母様への面接の中で『発達相談サービス』を利用して複数回Aくんと会い、Aくんが今どんなことに困っているのか、どのような心理的な特徴があるのかを考えることを提案しました。

Aくんへの面接では、発達面での問題よりも情緒的な面での難しさが考えられ、直近の問題として就学した際に集団生活に馴染むことに困難な部分があるのではないかと思われました。そのため、お母様と各担当者での話し合いで、Aくんともう少し続けて会い、就学に伴う影響を見るとともに、引き続きAくんの理解を深めることを提案しました。回数を重ねる中で、Aくんの担当者は発達的にやや特徴があると感じ、今後考えられる難しさやそれに対して継続的なセラピーの導入をお母様に提案しました。『発達障害児へのセラピー支援』への申請が可能であることもお伝えしましたが、A君くんがセラピーを希望していないことなどを理由に、このときは継続的なAくんへのセラピー実施にはつながりませんでした。

ただこのまま終了、という形は希望されず、当面お母様のみの面接を行ってAくんのことを考えていくことになりました。その中でAくんに対して知能検査などを行い、その結果、Aくんは知的な能力は十分に有しているが、発達面や気持ちの面でアンバランスさがあること、得意・不得意の差が大きく、できる時とできない時のムラがあること、叱責に弱く他者からの評価などに敏感なところがある、などといったことが考えられ、Aくんの能力を発揮する妨げになる可能性が推察されました。そういった点に対してAくんへの1対1のセラピーが役に立つ可能性が考えられ、再度ご両親に継続的なセラピーを提案しました。

ご両親は面接や検査結果などから考えられたAくんの理解に納得され、Aくんの成長や変化への働きかけとして継続的なセラピーに同意し、支援申請をされました。その後、支援ケースとして認定され、現在は毎週1回、母子並行でAくんへのセラピーを実施しています。再開当初はAくんも落ち着かない部分があるようでしたが、回数を重ねる中で担当者とのあいだに少しずつ関係ができ、自分のことを表現する自分のための場所としてセラピーを使うことができるようになりつつあるようです。また、お母様もAくんの行動の裏にある“Aくんの気持ち”について以前より考えやすくなっており、相互的な変化が生じてきていると思われます。

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